交通事故・弁護士全国ネットワークには20人以上の弁護士が参加しております。参加弁護士が日々の訴訟活動の中で特に注目すべき内容等をコラムにしました。

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示談事例|損保提示額4800万円が8600万に 79歳高齢者の高次脳

◆関西地方の79歳女性が自転車事故で、高次脳機能障害1級の障害
約4,800万円の損保賠償提示に対し、裁判並みの約8,600万円で示談解決した例


関西地方在住の女性(Aさん79歳)が自転車で右折しようと歩道から車道に出たところ、後ろから来た自動車に跳ねられ脳挫傷・急性硬膜下血腫などの重傷を負い、高次脳機能障害1級の後遺障害を残しました。
 事故前のAさんは高齢ながらも、かかりつけ医師から太鼓判を押されるほどの健康体で、習い事や奉仕活動などを積極的にこなしていました。ところが、事故による高次脳機能障害で、日常生活の全てに声かけや見守り、身体的介助が必要な状態になり、動作が緩慢、段取りが組めない、新しいことができない、記憶障害、見当識(勘違い、人違い、思い込み)、作話などの症状が見られました。家族全員が介護にあたり、主に依頼者(長男)の妻が看ていました。

 依頼者(長男)は、母親のAさんが高齢であること等から、当ネットワークに示談交渉を前提とした相談がありました。相手損保からは、約1,600万円の支払い示談案(賠償総額約4,800万円)が提示されていました。

 当ネットワークの弁護士は、依頼者の意向を酌み、Aさんの状況を精査し、訴訟も辞さない姿勢で相手方損保と交渉を行った結果、将来介護料約4,000万円、後遺障害慰謝料約3,000万円、住宅改造費700万円等を含め、支払額 約5,400万円 (賠償総額約8,600万円から既払分3,200万円を除く金額)で示談しました。総額で約2倍弱、手取り額は3倍以上となりました。

 高次脳機能障害1級の被害を負われたご家族から、解決手段として示談交渉を依頼されることは少なくありません。当ネットワークの弁護士が全国の裁判所で高度な立証活動を行う結果の蓄積が、この業界での一定の評価となり、高額な賠償額を示談交渉で勝ち取ることが出来たと言えるでしょう。

当ネットワークが獲得した高次脳の判例はこちらから

高齢者の交通事故被害では、余命年数が争点になる。余命短縮を狙う損保会社と被害者家族との闘い。

2008年8月2日付 週刊東洋経済より抜粋

もしあなたが運悪く交通事故で半身不随になったとしよう。
そして、その加害者が加入していた損害保険会社から、「あなたはあと5年も生きられない。保険金もその分しか払いません」と言われたら、どう思うだろうか。だが、これは現実の出来事なのである。
2年前の2006年7月1日の夜8時。富山市内の県道上で事件は起きた。市内在住の主婦Aさん(当時62)が乗用車を運転していたところ、対向車線の乗用車がセンターラインを越えて突っ込み、Aさんの車に正面衝突した。
懸命な治療のかいあって一命こそ取りとめたものの、脳に障害が残り、あごから下は完全マヒ状態。意識はあるものの口は利けず、手も足も首も動かせない。
Aさんの病状が安定した今年2月、ご主人は加害者に対して、将来の介護費用、逸失利益(事故に遭わなければ得られていた将来の利益の合計額)、慰謝料など計2億6648万円を請求する訴えを起こした。
4月に行われた第1回公判で、加害者側弁護士が出してきた反論書にご主人は目を疑った。「原告両名のような後遺障害のある者の平均余命は4.4年あまりであり、5年を超えることはない」とまで言及されていた。
当然だが、交通事故による後遺障害者の余命をめぐる問題は高齢者だけのことではない。年少者になればなるほど余命に関する損保会社と被害者の主張の隔たりは大きくなる。
しかし、「年少者の場合にはむしろ逸失利益のほうが争点になりやすい」(業界関係者)。逆に、逸失利益があまり高額にはならない高齢者の場合は、余命年数の長さが賠償額の多寡を左右する。
交通事故 全国弁護士ネットワーク古田兼裕弁護士は言う。「被害者を診察したわけでもないのに健常者よりも長生きできないなどと言うべきではない。代わりに使っている統計データには適切でない環境で介護を受けている者も含まれている。寝たきり者の死因の多くは肺炎だが、良好な介護環境であれば死亡率は大きく改善される。
したがって、寝たきり者でも健常者並みの余命を基準に介護費用を決めるのが当然だ」。
古田弁護士は「余命を健常者並みに認める判例は数多く出されている。最近では生存期間の短縮を認めた裁判例は皆無といってよい」と言い切る。だが、こうした状況を知ってか知らずか、損保会社は算定上の余命年数を短くするように被害者に追る。年間の任意自動車保険による保険金支払は約40万件。その大半は、当事者間の示談交渉で決着している。今後社会の高齢化が進むにつれ、示談交渉という当事者間しか知りえない場に巨額の″払い渋り″が生まれる可能性がある。

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■自衛隊のバス「自賠責なぜ適用外」 むつの遺族提訴

以下新聞記事より抜粋(2008年6月25日付)

 公道を走る自衛隊の車両が、なぜ自賠責保険に入っていないのか―。15年
前、青森県むつ市で航空自衛隊の大型バスが姉妹2人を死傷させた交通事故で、
同市の母子が国に損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。姉は死亡、妹も
後遺症を伴う重傷を負ったが、バスは自衛隊車両という理由で自賠責の適用が除
外されていた。「事故の被害が正当に認定されていない」との思いがぬぐえない
母親。「同じような被害者を出してほしくない」と訴える。

 事故が起きたのは1993年9月16日。仲沢陽子さん(48)の長女=当時
(6つ)=、次女=当時(4つ)=が乗った自転車が、同市大湊上町の丁字路交
差点で空自の大型バスと衝突した。

 「自衛隊の車は自賠責に入っていない」。悲しみの中、仲沢さんは耳を疑っ
た。自衛隊車両は使用目的が特殊な上、国家賠償の対象となるとの理由で、自賠
責の適用が除外されていた。

 納得できないまま、長女の示談は受け入れたが、次女には視力低下に加え、自
傷行為などの精神的症状が現れた。「親の愛情不足」などと言われ思い悩む日
々。自衛隊は昨年ようやく精神的被害を認定し、賠償額850万円を提示した。

 果たして娘の苦しみは正当に評価されたのか。自賠責なら保険会社を通じ、障
害等級(次女の場合は最高3000万円)が客観的に判断される。相談した「交
通事故・弁護士全国ネットワーク」
の助言を受け、仲沢さんは1度受け入れた次
女についての示談を取り消した。

 昨年末、次女は専門医を受診。「脳外傷後の高次脳機能障害」と診断された。
「やっぱり事故のせいだったんだ」。疑念が確信に変わった。

 今年4月、仲沢さんは19歳になった次女とともに、正当な障害認定と総額
9000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。代理人の古田兼裕弁護士は
「自賠責は被害者を手厚く保護するための制度。国の資力に問題がないからと適
用されず、被害者の権利が足げにされている」と指摘する。

 仲沢さんは「せめて公道を走る車だけでも保険に入ってほしい。自衛隊の車と
事故に遭い、泣き寝入りしている人はきっといる」と語る。

 国側は請求棄却を求めて争う姿勢を示す。防衛省広報課は「審議中の案件なの
でコメントは差し控える。訴訟の中で主張を明らかにする」と話す。訴訟の第1
回口頭弁論は26日開かれる。

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