交通事故・弁護士全国ネットワークには20人以上の弁護士が参加しております。参加弁護士が日々の訴訟活動の中で特に注目すべき内容等をコラムにしました。

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交通事故被害における植物状態(遷延性意識障害・植物症)への取り組みについて

当ネットワークは、遷延性意識障害(植物状態・植物症)になられた被害者・ご家族への取り組みについても、最重要課題のひとつとして積極的に取り組んでいます。

当ネットワークが解決した事例については、ホームページや、当コラム過
去記事に掲載していますので、ご覧下さい。

後遺障害とは何かhttp://bengosi-net.jp/hi-katagata/what_koisyo/index.html

解説:遷延性意識障害とは
http://bengosi-net.jp/hi-katagata/5j/3_senen.html

遷延性意識障害:当ネットワークが獲得した判例一覧
http://bengosi-net.jp/hanrei/senensei/index.html


当ネットワークでは、植物状態を遷延性意識障害の表現で記事掲載しています。
患者やご家族・障害に理解のある側は「遷延性意識障害」、また医療の現場や一般的には
植物状態・植物症などと表現されます。

18歳男子、高次脳機能障害他併合4級で、総額約1億4,300万円の高額和解例

助手席に同乗の18歳男子高校生が、自損事故で高次脳機能障害5級(併合4級)の障害で、正規雇用できずアルバイト職
IADL(日常生活関連活動)障害が顕著で労働能力喪失割合を4級相当、介護料日額1000円を認め、総額約1億4,300万円で和解した例


【裁判所】
2007年 前橋地裁管内

【本文】
 同級生が運転する乗用車の助手席に原告(18)ら が同乗し走行していたところ、スピード超過によりカーブを曲がりきれずに中央線を越え、対向車線の大型貨物自動車と衝突し、原告は脳挫傷・外傷性クモ膜下出血、左第3.4.5MTP関節背側脱臼等(左足指付根の脱臼)の重傷を負いました。当初、自賠責の後遺障害は6級でしたが、原告の障害状態を精査し、専門医の適切な診断や、日頃見守る母親の日常生活状況報告書等を添えて異議申し立てした結果、高次脳機能障害5級と左足指機能障害13級を併合し、4級が認定されました。

このような自損事故では、例外を除き運転手(に係る保険)が被告になります。
主な争点は、原告の高次脳機能障害の程度と介護の必要性、そして無償同乗減額(好意同乗) です。

原告の後遺障害は4級にあたり、逸失利益の算定基礎である労働能力喪失割合を92%として請求しました。一方被告は、障害者雇用で就労は可能であることなどを理由に、労働能力喪失割合は60〜80%が相当であると反論しました。原告は、障害者雇用枠としても会社が必要とする能力に達せず正規雇用されずにアルバイト待遇です。以前に障害者雇用されたときには、職場のスピードについていけず1ヶ月で退職したことがあったことなど主張しました。
また原告は、基本的な日常性動作(ADL)はほとんど自立しているものの、記憶・記銘力に障害があり、30分前に食べたものや話したことを忘れてしまう、電話で聞き取ったことを忘れてしまう、3つ以上の買い物を頼めない、レンタルCDの返却を忘れてしまう、金銭管理ができず無計画に浪費してしまうなど、日常生活に関連したこと(IADL=日常生活関連動作)に障害が影響していることを母親の陳述などから立証しました。そして、原告が社会生活を営むうえでは、記憶を補完し、身の回りのことを監督し、混乱させないよう、適時・適切な行動をとるために家族や介護者の看視・声かけなどが必要であることを主張しました。

 無償同乗減額について、被告は2割の減額を求めました。原告は、あえて危険を承知でそれに関与・増幅させるような(・・・例えば無免許や改造車を承知で同乗し、スピードを煽るような・・・) 行為で事故をした等の状況ではなく、被告のみが運転免許を持ち、原告らをドライブに誘い、制限時速40kmのところを80kmで走行し、下り坂の急なカーブで起こした単に被告の運転ミスによる事故であり、原告に過失が無いことを主張しました。

 これら、立証と主張の結果、支払額1億2,000万円(既払金や金利などを含めた総損害額約1億4,300万円から、既払金約2,300円を控除した額)で和解しました。
 内訳では、労働能力喪失割合を自賠責4級の92%、介護料を日額1,000円認めるなど、ほぼ原告の請求を認めた和解結果となりました。



被害者データ
■ 18歳男子 高校3年生
■ 助手席に原告らが同乗し走行していたところ、カーブを曲がりきれずに中央線を越え、対向車線の大型貨物自動車と衝突した。
■ 脳挫傷による高次脳機能障害5級、左足指機能障害13級、併合4級

大阪で交通事故無料法律相談を行います。

平成21年2月15日(日)大阪で交通事故無料相談会を行います。当ネットワークの代表弁護士古田兼裕をはじめ数名の交通事故専門弁護士が協力弁護士という立場で無料法律相談を行います。詳しくは主催である交通事故後遺障害者家族の会のホームページをご覧ください。なお主催者側の主旨から、重度の後遺障害の方を優先させていただいておりますのでご了承ください。

なお参加されるには前もって申し込みが必要です。被害者のプライバシー保護の観点から直接ご来場されても、入室できません。ご了承ください。

≫≫くわしくはこちらから

7歳女児 遷延性意識障害

◆7歳の小学一年生女児が横断歩道上で跳ねられ 遷延性意識障害、四肢麻痺等1級
余命や過失の反論を退け、原告の主張をほぼ認めた総額約2億8,000万円の高額和解例。
千葉地裁管内 2005年


小学1年生の女児が、信号の無い交差点の横断歩道を歩行していたところ、右方からの普通貨物自動車に跳ねられ、開放性頭蓋骨骨折、びまん性軸策損傷、脳挫傷、外傷性クモ膜下出血、外傷性水頭症等の重症を負い、遷延性意識障害及び四肢麻痺等1級の後遺障害を残しました。
 原告は遷延性意識障害のため、気管からの痰の吸引等の医療行為が必要なこと、また介護する母親は事故前と同様に就労を希望していることなどから、職業人介護を前提にした介護料を余命75年間請求しました。一方、被告は、本人を直接診断せず医療カルテを元にした意見書や統計情報をもとに、原告は余命期間生きるとは考えられないので、計算期間は短く、介護料日額は数千円程度とすべきで、定期金賠償方式が合理的だと主張がありました。
 原告は、事故後初期は生命の切迫した危険もありましたが、両親の労を惜しまない介護などにより、数年経過した現在では、ときに追視や笑顔を見せ手足を少し動かせるようにまで緩やかに回復しました。被告の主張は原告の症状を適切に捉えておらず、原告の健康状態は健常児並みで、自宅で適切な介護を行えば覚醒する可能性もあることを、主治医の意見や、母親の証人尋問などを通して立証しました。
 また、横断歩道を横断中の事故であるものの、被告は、原告に飛び出しがあるとして10%の過失があると主張しました。確定した刑事記録や本人の証人尋問などから、原告に過失がないことを主張しました。
 裁判は、約2億3,500万円の支払で和解しました。既払金や調整金等を含めた総損害額は、約2億8,000万円になります。費目ごとの認定額は明らかではありませんが、介護料は日額2万円を基準とした約1億2,000万円、逸失利益は男女の平均賃金を基準とした約6,300万円、住宅改造費約2000万円など、ほぼ原告の請求に近い和解結果となりました。

交通事故被害者団体について

弁護士の立場として、よりよい判決で被害者の皆様の経済的回復のお手伝いはできたとしても、精神的苦痛や介護の悩み等への対応には限界があります。こういった側面に対応できるのは全国にある被害者団体です。これらの団体の方々は皆、交通事故の被害者であり、さまざまの経験を積んでおられます。この方々は、新たな交通事故被害者のために、惜しみもなく訴訟の知識やノウハウ、はては介護器具の最新情報まで様々な情報を交換し合うことで、訴訟中、訴訟後にかかわらずお互いに交流をされています。

被害者団体の情報やこれら団体との交流をお考えの方がいらっしゃいましたら、当ネットワークにご相談ください。被害内容に沿ったもしくは最寄りの被害者団体をご紹介させていただきます。

上記は当弁護士ネットからの引用文です。詳しくはこちらからご覧ください。

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