交通事故・弁護士全国ネットワークには20人以上の弁護士が参加しております。参加弁護士が日々の訴訟活動の中で特に注目すべき内容等をコラムにしました。

交通事故・弁護士全国ネットワークには20人以上の弁護士が参加しております。 参加弁護士が日々の訴訟活動の中で特に注目すべき内容等をコラムにしました。

■2008年度および2009年度代表的獲得判例の掲載について

2008年度および2009年度(中間報告)に当ネットワークが獲得した判例の中から、被害者の方々から掲載のご了解を得た判決のみを掲載しました。随時追加していきますが、掲載数は獲得判例の一部となっております。まずは、当ネットワークの実績をご理解いただければ幸いです。新しい獲得判例はで表示されています。
なお新規に掲載しました獲得判例及び和解の件数は以下の通りです。(10/19追加分を含む)

高次脳機能障害の獲得判例及び和解:23件

遷延性意識障害の獲得判例及び和解:6件

重度脊髄損傷の獲得判例及び和解:4件

死亡事案の獲得判例及び和解:4件

その他の後遺障害事案の獲得判例及び和解:5件

新しい参加弁護士の紹介

当ネットワークにご協力いただける新しい参加弁護士を紹介します。

札幌弁護士会所属の森谷瑞穂弁護士です。

詳しくは弁護士プロフィールをご覧ください。

交通事故による高次脳機能障害、遷延性意識障害、重度脊髄損傷の相談

交通事故による高次脳機能障害、遷延性意識障害、重度脊髄損傷の相談を受け付けています。

ホームーページ交通事故・弁護士全国ネットワークから、メール・Fax・電話などでご相談下さい。

32歳女性。右下腿併合8級430万円の当初示談案に対し、高次脳機能障害を立証して、併合8級5,900万円で和解した例

事務員32歳女性、右下腿併合8級で当初430万円の示談提示に対し、弁護士が脳外傷所見に気付いて高次脳機能障害を立証し、高次脳機能障害9級(併合8級)5,900万円の13.7倍で和解した例

 事務仕事と幼児2人の育児及び家事をこなしていた原告女性(32)が、自転車で横断歩道を横断進行中に、大型貨物車通行止め区域へ左折しようとした大型貨物自動車に巻き込まれ、外傷性脳挫傷・高次脳機能障害・左下腿デグロービング損傷・左下腿離脱創・左鎖骨骨折等の重傷を負いました。

 相談当初は、左下腿の傷痕や可動域の制限等を併合した後遺障害11級で、支払額430万円の示談提示でした。被害者家族は、左下肢障害と示談案のことだけを考えて、当ネットワークに相談しました。

 当ネットワークの弁護士が、受傷時からの診断内容を精査したところ、頭部外傷の所見があり、頭部外傷による高次脳機能障害を疑いました。家族から詳しく聞き取ったところ、事故前の原告は、事務仕事と家事・育児を両立していましたが、事故後に職場復帰を試みたものの全うできずに辞めて、生活面でもトラブルが起きていました。そこで、高次脳機能障害専門医を紹介し診断を受け、自賠責に異議申立したところ、高次脳機能障害9級と左下肢障害を併せて、併合8級を認めました。

 裁判では、逸失利益の基礎収入や、事故前の就労状況、後遺障害が争点になりました。原告の夫らが家業を法人化して業績が軌道に乗り、事務全般を一人で執り行っていた原告へ正式に給与を支払い始めて数ヶ月で事故被害を受けたことから、前年度の給与収入とは大きな開きがありました。原告自身には元々の能力があり、業務と育児・家事を要領よくこなし、法人の業績も成長を続けていることから、給与支払は過大・一次的でないことを法人の会計資料も添えて立証しました。また、原告が負った高次脳機能障害により、記銘力の低下による忘れ物やそのこと自体を忘れることがあり、遂行能力の低下により同時に二つ以上のことができず、感情のコントールが低下しヒステリックになることなどを、仕事や日常生活面での出来事を夫や原告の陳述をもとに具体的に挙げ、就労することが困難で、家庭生活や子育てにも重大な支障を来たしていることを主張しました。

 結果、30-34歳の平均賃金367万円を基礎収入として、8級(45%)の逸失利益を余命期間認め、総損害額約5,900万円(既払金約1,100万円を控除した支払額約4,800万円。利息や弁護士費用を含む)で和解しました。

まとめ
 家族が気付かなかった脳外傷所見を当ネットワークの弁護士が見つけ、詳しく聞き取りを行い、高次脳機能障害専門医を紹介し診断を受け、自賠責へ異議申し立てして、高次脳機能障害の認定を受けたこと。さらに裁判を起こし原告の損害を立証したことで、今回の結果となり、当初示談案(約430万円)に対して約13.7倍の約5,900万円で和解しました。







高次脳機能障害3級の15歳女性に、高次脳2級相当と随時介護料を認めた和解例

15歳女子高校生が青信号の横断歩道を渡り始め、途中で赤色表示に気付いて小走りで横断を続けていたところ、左方から時速95kmで走行してきた自動車が衝突し転倒させ、脳挫傷・外傷性クモ膜下出血による頭部外傷後遺症、高次脳機能障害、左膝複合靭帯損傷等の重傷を負い、高次脳機能障害3級の後遺障害を残しました。
  
 原告は、身体的な障害はなく食事や着替えなど極基本的な身の回りの動作(ADL)は自立して行えるものの、炊事・掃除・洗濯などの日常生活を送る上で通常必要な行為(IADL=日常生活関連活動)を、自発または単独で行うことが出来ません。また、記憶力や理解力が低下し、会話がちぐはぐになり対人関係を維持するのが困難でした。さらに、易怒性・情緒不安定の影響により、被害妄想や暴力・問題行動をおこすことがありました。これら高次脳機能障害による様々な問題があり、突発的なことにも対応しなければなりませんでした。原告が、安全で健康的な日常生活を送るためには、家族らによる日常的な介護が不可欠で、後遺障害の実質は高次脳機能障害2級3号に相当し、随時介護が必要であることを主張し、生涯平均して日額8,000円の介護料を請求しました。
 
 高次脳機能障害者に対する必要な介護の考え方から、原告への介護の必要性とその程度を丁寧に立証した結果、損害額約1億4,100万円から過失5%を控除し、既払金を控除した約1億3,000万円の支払いで和解しました。(弁護士費用や確定遅延損害金を含みます)。ほぼ原告の請求どおり、判決に等しい和解結果といえます。
損害額には、介護する母親が67歳になるまでの介護料日額5,000円×年間365日、母親が67歳を過ぎて原告の平均余命まで介護料日額12,000円×年間365日の合計、約4,700万円を認めたことも含まれます。
 

通常、高次脳機能障害3級以下は、自賠責や一般的な示談の場面では、介護料を認めることはありません。今回のような介護料が和解で認められたのは、当ネットワーク弁護士が、被害者の障害程度を見極め、着実な訴訟活動の成果を積み重ねた結果であると考えます。

同じ高次脳3級でも障害内容により、2級に近い重篤なものから、5級に近いものまで幅があり、さらに身体障害を伴うか否かで、必要な看視(介護)内容は被害者個々で異なります。
被害者の一番近くに長い時間一緒に居るご家族が、高次脳機能障害を理解しながら、日々の見守り介護活動内容を記録し、弁護士や主治医と適切に連携していくことが必要であると考えます。

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