交通事故・弁護士全国ネットワークには20人以上の弁護士が参加しております。参加弁護士が日々の訴訟活動の中で特に注目すべき内容等をコラムにしました。

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■自衛隊のバス「自賠責なぜ適用外」 むつの遺族提訴

以下新聞記事より抜粋(2008年6月25日付)

 公道を走る自衛隊の車両が、なぜ自賠責保険に入っていないのか―。15年
前、青森県むつ市で航空自衛隊の大型バスが姉妹2人を死傷させた交通事故で、
同市の母子が国に損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。姉は死亡、妹も
後遺症を伴う重傷を負ったが、バスは自衛隊車両という理由で自賠責の適用が除
外されていた。「事故の被害が正当に認定されていない」との思いがぬぐえない
母親。「同じような被害者を出してほしくない」と訴える。

 事故が起きたのは1993年9月16日。仲沢陽子さん(48)の長女=当時
(6つ)=、次女=当時(4つ)=が乗った自転車が、同市大湊上町の丁字路交
差点で空自の大型バスと衝突した。

 「自衛隊の車は自賠責に入っていない」。悲しみの中、仲沢さんは耳を疑っ
た。自衛隊車両は使用目的が特殊な上、国家賠償の対象となるとの理由で、自賠
責の適用が除外されていた。

 納得できないまま、長女の示談は受け入れたが、次女には視力低下に加え、自
傷行為などの精神的症状が現れた。「親の愛情不足」などと言われ思い悩む日
々。自衛隊は昨年ようやく精神的被害を認定し、賠償額850万円を提示した。

 果たして娘の苦しみは正当に評価されたのか。自賠責なら保険会社を通じ、障
害等級(次女の場合は最高3000万円)が客観的に判断される。相談した「交
通事故・弁護士全国ネットワーク」
の助言を受け、仲沢さんは1度受け入れた次
女についての示談を取り消した。

 昨年末、次女は専門医を受診。「脳外傷後の高次脳機能障害」と診断された。
「やっぱり事故のせいだったんだ」。疑念が確信に変わった。

 今年4月、仲沢さんは19歳になった次女とともに、正当な障害認定と総額
9000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。代理人の古田兼裕弁護士は
「自賠責は被害者を手厚く保護するための制度。国の資力に問題がないからと適
用されず、被害者の権利が足げにされている」と指摘する。

 仲沢さんは「せめて公道を走る車だけでも保険に入ってほしい。自衛隊の車と
事故に遭い、泣き寝入りしている人はきっといる」と語る。

 国側は請求棄却を求めて争う姿勢を示す。防衛省広報課は「審議中の案件なの
でコメントは差し控える。訴訟の中で主張を明らかにする」と話す。訴訟の第1
回口頭弁論は26日開かれる。
古田兼裕弁護士

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